サクラダリセット5巻「片手の楽園」、アニメ12~15話感想メモ

サクラダリセット5巻では、片桐穂乃歌の能力が生み出した夢の世界が舞台。ケイは相麻菫に関する実験を計画し、春埼美空と共に夢の世界へ。そこでミチルや、シナリオの写本を書く老人と出会う。片桐穂乃歌は自身の孤独と向き合い、春埼美空はケイとの関係を見つめ直す。管理局の目的も明らかになり、物語は新たな展開へ。

あらすじ

サクラダリセット 第12話 ONE HAND EDEN 1/4

ケイは『管理局』に依頼して『夢の中の世界』の調査を始める。そこは『片桐穂乃歌』という9年間昏睡状態の女性が持つ『能力』が作りだした世界で、現実の咲良田と寸分違わぬコピー世界だと言う。ケイはそこで相麻菫に関する一つの実験を計画していた。ケイと春埼美空が夢の中の世界に入ると、ミチルという名の少女と出会う。

サクラダリセット 第13話 ONE HAND EDEN 2/4

夢の中の世界でケイは、『野良猫屋敷のお爺さん』について聞く。彼は、『シナリオの写本』を書く能力を持っているという。野ノ尾盛夏から聞いた伝言『シナリオNo.407』の事を思い出すケイ。ケイはチルチルから聞いた情報によって、お爺さんのもとに向かう。一方その頃、相麻菫も夢の中の世界にいてミチルと会っていた。

サクラダリセット 第14話 ONE HAND EDEN 3/4

ミチルがまだ『片桐穂乃歌』だった頃。彼女は夢の中の世界で、何でもかなえる事ができて、そこに来た人に何でも与える事ができた。しかし野良猫屋敷のお爺さんに、「与えられることで失うものもある」と言われる。『宇川沙々音』は、夢の中の世界が正しくないと判断する。そして、この世界を破壊すると言う。

サクラダリセット 第15話 ONE HAND EDEN 4/4

現実世界で、片桐穂乃歌の容態が急に悪化する。能力を使う事を望まなくなり、彼女がいるはずの夢の中の世界が消えてしまうからだ。目を覚ますことのない彼女が夢の世界を失うのは、自殺も同然である。一方、野良猫屋敷のお爺さんのもとを訪ねる野ノ尾盛夏。現実世界の彼は歳老いて歩く事もできない状態だった。

感想と気になった部分のメモ

夢の世界での片桐穂乃歌と猫屋敷のお爺さん

現実では眠ったままで何もすることができず孤独な片桐穂乃歌は、夢の中でならば相手の希望を叶えることができました。しかし、そこには何も望まない老人がいました。それが「猫屋敷のおじいさん」です。

希望を叶えることで自分の存在価値を見出していた片桐穂乃歌にとって、猫屋敷のおじいさんは困った存在でした。自分を見失った片桐は、チルチルを神様にして、自分はミチルになります。

夢の世界では夜になるとモンスターが襲ってきますが、そのモンスターもまた、片桐が現実の世界では叶えられない幸せを求める姿になっているのです(目を開きたいから多数の目がある、誰かに手を取ってほしいからたくさんの腕がある、さみしくて悲鳴を上げたいくらい怖いから口を開く)。

モンスターだけではなく、夢の世界そのものが片桐であり、自分でモンスターで襲われて自分で助けるということを繰り返しています。こうした状況で、モンスターを自分自身で受け入れて、本当に誰かに助けを求めるということは独りじゃないことだと気づきます。

幸せとはなにか、ケイがモンスターに襲われて失った時に改めて考えて、またそのときに猫屋敷のお爺さんが現れたことで幸せとはなにかに気づくのです。

春埼美空が対峙する場面とチルチルからの質問

チルチルから望むものがなんだって手に入ると言われたとき、春埼美空は「とくになにもありません」と最初は何も望みませんでした。

チルチルから浅井ケイに縛られていると指摘され、過去の春埼美空と現在の春埼美空が対峙することになります。浅井ケイが相麻菫を求めて、自分を必要とされなくなったらどうなるのか。春埼美空は、心の底から恐れているのは浅井ケイの幸せを求めていると言いながら、自分の幸せのためにケイを利用していることでした。

チルチルから改めて望みを聞かれて、チルチルに望むものはないと答えます。春埼は、自分自身が強くなることで、ケイから必要とされる人間になりないと決意するのです。

「私は成長したい。ケイにとって、私が何よりも価値を持つ人間であることです。だからチルチル、あなたに望むものは何もありません」

春埼美空と相麻菫が対峙する場面

「貴女の行動で、ケイは悲しみますか?」
「悲しむかもしれない。でも何もしないよりはマシなの。彼が悲しんでも苦しんでも、私は目的を変えない」
「それなら、相麻菫。私は貴女にケイに近づいて欲しくはありません」
「春埼美空。二年前、まったく同じことを、私も考えていたわ。貴女をケイに近づけたくはなかった」
「でも私とケイを出会わせたのは、貴女です」
「悲しくても苦しくても、どれだけ嫌でも、あなた達を出会わせることを、私は選んだの」
「最後に、教えてください。貴女は浅井ケイの敵ですか」
「いいえ。私は彼のためだけに、ここにいるの」
「そうですか」
春埼の声は安堵に近い、柔らかなものに聞こえた。

次回からストーリーが本格化しそうな管理局について今回わかったこと

  • 室長の浦地正宗の登場
  • 能力を嫌っており、能力を怖いと考えている
  • 能力はほとんどが簡単に使っていいものではない
  • 能力とは本来望んだものが能力になっている
  • 能力に安易に頼ってしまうこと、頼った結果知らぬ間に不幸の種になり、また能力を使わずにはいられない。

次回への期待

今後の展開では、管理局の目的や、能力に関する謎がどのように解き明かされていくのかに注目したいです。また、ケイと春埼の関係がどのように変化していくのかも楽しみです。

片手の楽園 サクラダリセット5 (角川文庫)
KADOKAWA(2017-01-25T00:00:01Z)
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