ドラマ「全て忘れてしまうから」感想
このドラマは、阿部寛が主演を務め、原作は燃え殻の作品です。以前、燃え殻の「ボクたちはみんな大人になれなかった」を読んだことがあります。
ドラマ『全て忘れてしまうから』概要
このドラマは、阿部寛演じる主人公の恋人がハロウィンの日に突然失踪してしまうところから始まります。彼女を探すために情報を集める中で、様々な出来事が起こります。
物語の展開:阿部寛がうける失礼な対応とクスリとくる笑い
ドラマの全体的な雰囲気
「全て忘れてしまうから」というドラマは、全体的に静かに進む雰囲気が特徴です。阿部寛が演じる主人公が、失礼な対応を受ける場面がクスリと笑いを起こす要素となっています。
姉との出会い
彼女を探す中で、まず彼女の姉が登場します。姉は主人公に対し突然「まさか殺したわけではないですよね」と疑いの言葉を投げかけます。この唐突な発言に主人公は驚き、失礼な対応を受けます。このやり取りが、ドラマの笑いを誘う部分の一つです。その後、なぜか毎回姉に会うたびに5万円を支払うことになり、この奇妙な状況も笑いを誘います。
幼稚園での情報収集
さらに、主人公は恋人が働いていた幼稚園に行き、情報を集めようとします。そこで出会った同僚の男性との食事の約束をしますが、男性は途中で帰ってしまい、またしても失礼な対応を受けます。ここもクスリと笑える部分です。
ドラマのポイントとメッセージ
失踪した彼女が見つかったあとにした旅行
終盤、失踪した彼女が見つかり、一緒に旅行に行く場面があります。阿部寛が旅行中に彼女に対して「ちょっとつまらないくらいの淡々とした旅行」が良いと言うと、彼女を演じる尾野真千子が少し微妙な表情を見せます。このちょっとずれている部分が、ドラマのポイントであり、淡々とした日常を描くというメッセージとマッチしています。「ちょっとつまらないけれど、面白い」という点が魅力です。
Charaの言葉
最終話では、Charaが演じるバーの店員のカオルさんが「人生というのは少し不幸なことがあった方が面白い」という言葉を主人公に投げかけます。これもドラマのテーマと合致しており、メッセージ性を感じさせます。阿部寛が様々な人から失礼な態度を取られたり、驚かされたりする場面は、このメッセージを象徴しているのかもしれません。
これらのセリフが重要だと感じたのは、Charaが阿部寛の独白のセリフを担当していたからです。この2人が物語の中心であるように思われます。
主人公の行動と変化:無気力からの脱却と記録の重要性
主人公の無気力さ
阿部寛演じる主人公が本気にならない部分も印象的です。特に物語の序盤から恋人がハロウィンの日に失踪した後も、人に話を聴きに行っていますが、どこか積極的に捜索しているようには見えません。そのことを指摘される場面もあります。
過去の出来事と変化
また、主人公は作家ですが、昔はADとして働いており、そのときの仕事仲間であった同僚が亡くなったことを知ります。その亡くなったはずの同僚が昔の姿で現れ、主人公に話しかけます。過去を振り返り、これからのことを語り合う中で、主人公は今はミステリー作家になったことや、これまでの人生を振り返ります。これまでは、周りに流され、失礼な態度も受け入れていた部分がありました。しかし、この出来事をきっかけに、そうした部分を変えようとしているように見えます。
「全て忘れてしまうから」こそ、主人公は全てを忘れるのではなく、作家として記録し、残していくことの大切さに気付きます。最初はエッセイを書くことを勧められたり、SNSを始めることにおっかなびっくりであまり乗り気ではないように見えました。しかし、結果的に作家として仕事をしたり、これまではあまり行ってこなかったエッセイを書いたりすることで自分の変化と向きあうことや記録に残していくことになります。また物語全体は淡々と進みますが、結果的に主人公は変化していく様子が描かれています。
燃え殻作品の魅力:日常の場面を切り取る手腕
燃え殻さんが、このような日常の一部分を切り取り、物語に落とし込む手腕は素晴らしいと思います。燃え殻さん自身がテレビの下請けの仕事をしていた過去があり、現在の作家としての姿を投影している部分もあるのかもしれません。
まとめ:日常の面白さを見つけるドラマ
阿部寛主演のドラマ「全て忘れてしまうから」は、日常の些細な出来事の中に面白さを見出す作品です。静かに進む物語の中に、クスッと笑える要素や、考えさせられるメッセージが込められています。


コメントを投稿