先入観を捨ててみよう 先入観にとらわれない方法

私たちは経験と知識から「先入観」をもって物事を判断しがちです。振り返れば思い込み(固定観念)に過ぎなかったということはよくあります。もし、苦手、嫌い、出来ることなら関わりたくないと思っている相手がいるとしたら、あなたが相手をそこまで拒絶する理由はなんなのでしょうか?その原因は先入観にあるかもしれません。

先入観とは、辞書を引くと「最初に知ったことによって形成された固定的な観念・見解で、それによって自由な思考が妨げられるようなこと」とあります。


先入観の特徴

先入観は、人間関係において、とても厄介なものです。嫌いだと思っている明確な理由が見つからないとしたら、先入観によって「真実」を見ることが出来ていないのかもしれません。人は先入観を持って相手を見ることによって「事実」を見ることが出来なくなり、自分勝手な思い込みや偏見、固定観念に支配されるようになります。先入観を強く持っていたり先入観にとらわれていると、その事柄に対して、自分勝手に悪い方向へと想像しがちです。

先入観にとらわれやすい人の特徴

変化が怖い人・変化を好まない人

先入観があるとそれを前提として物事を考えられますが、違う考え方が入るとこれまでのペースや前提が崩れてしまいます。いつも同じペースで考えたい人は、そうした変化を嫌がるため、先入観にとらわれやすくなります。

自分に自信がある人

自分に自信がある人はなかなか他人の言葉に耳を貸しません。自分が信じていることを前提に物事を考えるので、人からの意見を聞き入れられないため、先入観にとらわれやすくなります。

過去の成功体験・失敗体験にこだわる人

過去に大きな成功や失敗をしていると、それを前提とした考えをしてしまいがちです。成功体験の場合は、過去の事例や経験をもとに計画をしたり、行動する機会が多くなります。失敗をした経験の場合はスタートをする前から失敗をすると考えてしまい、行動を起こしにくくなります。

多数派に属したい人・常識を大切にしている人

物事を考えるときにどちらが常識的かまたは多数派かであるかを前提に物事を考えてしまいます。多数派につくと、少数派に所属しているよりも、批判されることも少なく、支持者もたくさんいるので安心感が得られるため、多数派の意見にとらわれやすくなります。

先入観にとらわれると悪循環が生まれやすい

先入観という色眼鏡に捉われていませんか?
無意識のうちに自分に都合の悪い情報を見ずに、信じたいと思っている情報だけを集めてしまうことを言います。私たちは、実に様々な色眼鏡をかけています。専門領域へのこだわり、過去の成功体験のこだわり、自分が選択したものへのこだわり、今取り組んでいることへの執着等々、これらのこだわりが、事実にバイアス(偏り)をかけて、歪んだ情報収集をしてしまうのです。

一旦相手を好きになると、「好きを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそう好きになる。一方で、一旦嫌いになると、「嫌いということを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそう嫌いになる。つまり、好きになった人の「気に入らない事実」は目に入りにくくなり、嫌いになった人の「素晴らしい事実」は目に入りにくくなります。これを確証バイアスといいます。

その結果、嫌いになるとさらなる嫌いを生むという悪循環が生まれます。良い人間関係を作るには、一度、冷静になって、嫌いな人の「素晴らしい事実」に目を向けていく必要があるのではないでしょうか?

先入観のメリット

決断が早くなる

先入観がない人は前提にとらわれず、あらゆる情報をもとに検討を行うため、情報を集めたり、人に相談したり、比較検討に時間をかけて決断が遅くなります。先入観があると、検討すべき内容や軸が定まっているため、その軸にそった情報を短時間で集めて早く決断を下すことができます。

先入観のデメリット

誤った判断を行う

先入観をもとに考える人は、物事を考えるときに自分の持った前提をもとに判断を行うため、前提がずれていたり、判断を行う軸がずれていると、間違った判断を起こしやすくなります。

新しい挑戦ができない

常識とされていることや、過去の事例をもとに行動を行うため、その枠にとらわれることになります。安全な方法や失敗の少ない方法を選びやすく選択の幅が狭くなり、柔軟な発想や対応をとることができなくなります。誰かが作った道をついていくだけで、自分自身で新たな道や領域を開拓することができません。先入観をもつとあらゆる可能性をつぶすのです。

先入観にとらわれすぎなくなる方法

1.お互いの先入観を理解する

自分と相手はお互いにどんな色眼鏡をもっているのか知ることも、良い人間関係作りには大切になってきます。その色眼鏡をかけている事を分かった上での、コミュニケーションをとっていかなければ、どんなに正論を吐いても、相手からは屁理屈のようにしか聞こえないのです。

2.多面的に物事を見る

判断ミスを避けるためには、先入観を捨てる必要もあるでしょう。本来の自分が持っている価値観や考え方と違うものを持っている人と接する機会を増やし、物事を多面的に見るようにしてください。そうすれば、より自由な発想を生み出すことにも繋がるはずです。

3.他人の意見を聞く

先入観は自分の中で持ち、その考えが育ちます。自分と他人は全く同じ考えをもっているということはないので、様々な人の意見を聞くことで自分の先入観に気づいたり、凝り固まった考えをほぐすことができます。そこから、新たな発想や柔軟な考えが生まれるのです。

先入観にとらわれすぎず、相手を見ることで人間関係はうまくいく
あなたを悩ませる人間関係の原因は、実はあなた自身が抱く先入観かもしれません。先入観に囚われず、ありのままの相手を見つめるようにしましょう。
常識や定説を疑い柔軟な発想を生む方法
次の記事 前の記事