私たちは生活の中で、様々なストレスを感じています。ストレスを抱えると「疲れが取れない」「眠れない」「元気が出ない」などといった悪いものばかりが想像されますが、実は「良いストレス」があるのをご存知ですか? ストレスの種類と「良いストレス」の効果的に活かす方法をわかりやすくご紹介いたします。
「ストレス」は人の能力を引き出す「スイッチ」だった!
良いストレスの例として、スポーツをしているときなど、ある程度のストレスを受けることによって、自分の能力を十分に発揮することができる場合もあります。また、試験直前になると集中力が高まり、効率的に勉強を進めることもできます。ストレスを受けることで交感神経が活性化され、身体や心が集中することができるのです。また、あまりにもストレスがないというときには、緊張感に欠けた状態になり、注意力が散漫になってケアレスミスを起こしやすくなります。気を抜いて作業をすると、普段なら絶対にしないようなミスをしてしまったことがある人もいるでしょう。したがって、適度にストレスを抱えていた方が緊張感によって気が締まり、ミスも少なくなります。
この現象はヤーキーズ・ドットソンの法則(Yerkes-Dodson’s law)と呼ばれ、一般にストレスレベルが極端に低い状態ではパフォーマンスを十分に発揮することができないが、ストレスレベルが高くなるに従ってパフォーマンスが向上します。ところが、最適なストレスレベルを越えて、ストレスレベルが高くなりすぎると、パフォーマンスは逆に低下するという生理心理学の基本法則です。
つまり、ストレスをうまく使えば、より効率的に仕事に取り掛かることができたり、いつも以上の実力を発揮できることもあります。つまり、ストレスとどうつきあっていくのか?がとても大切なことなのです。
ストレスとうまく付き合うために自分の性格をよく知る
わたしたちは、それほど強い信頼感のない相手、まだ付き合いの浅い相手に対しては、『相手から嫌われるのではないかという不安』『相手から低く評価されるのではないかという懸念』『相手を怒らせるのではないかという心配』『相手から攻撃されるのではないかという恐怖』をある程度感じながらコミュニケーションしなければなりません。しかし、そういった不安や懸念は精神的ストレスの原因となる一方で、対人関係に程よい緊張感をもたらし、向上心や競争心を刺激するという効用も持っているのです。ストレスは悪いものと考えられがちですが、ストレスを受けることで力を発揮できることもあるわけですから、ストレスならなんでも避ければいいというわけではありません。だからこそ、どんなストレスなら自分の力に変えることができるのか、またストレスに対してどれだけ我慢が出来るのか理解することも大切なのです。
自分自身について、よく知っているという人は実は多くありません。それは、人のことはよく見えているけれども、自分のこととなると、よく見えないからです。自分自身がどんなことに興味があってストレスがかかってもそれを力に変えることができるのか探ってみませんか?