相手に自己肯定感を持たせる、相手の自己肯定感を失わせない方法とは
相手の自己肯定感を高めるためには、相手に勇気をもたせると高まります。しかし、普段、何気なく行っている言動が、実は相手を勇気づけられていない場合が多いのです。また、相手を勇気づけようと褒めることがあると思いますが、褒めた方が上で褒められた方が下という上下関係を作ってしまうことがあります。さらに、結果さえ出せれば何をしてもよいという間違ったメッセージを伝えてしまう場合もあります。相手を褒めることを重視するのではなく、相手を勇気づけることが大切なのです。
相手に自己肯定感を持たせる方法
貢献に注目して感謝する
人を勇気づけようと「能力そのもの」、「勝ち・負け」、「できた・できなかった」に対して、「偉いね」「よくやった!」と声をかけて褒めようとしがちですが、貢献したことについて注目して声をかけます。伝える方は、褒めるよりも感謝して喜ぶことを意識して声をかけます。例:「おかげで助かった」「手伝ってくれてとても助かった」
結果ではなくプロセスを重視する
良い結果を「よくやった!」と褒めるのではなく、プロセスを褒めます。プロセスを褒める理由は、良い結果は褒めやすいですが、悪い結果のときには褒めることができなくなってしまうからです。また結果だけを褒めることは、結果さえよければどんな方法を使ってもいいと思われる可能性があります。例:「努力してきた結果だね」、失敗した場合には「一生懸命努力したのに残念だったね」
すでに達成している成果に注目する
足りない部分を「ここがまだだからダメだ」と指摘するのではなく、まず、できている部分を指摘します。その後に足りていない部分の指摘を行います。例:「この部分がとてもよい」「ここをこうするともっとよくなる」
他人とくらべるのではなく、自分自身と比べて成長を重視する
他の人と比べて「あの子より上手だ」と褒めるのではなく、以前と比べてどれだけできるようになったかで褒めます。例:「この前より上手になった」「この前より早くできた」
失敗したときに「なんで?」と問い詰めない
失敗をした時には、「なんで?」と質問をしてしまいがちです。この質問を繰り返すと相手をどんどん追い詰めて勇気を奪っていきます。失敗をしたという過去は変えられません。未来に向けて何ができるかと質問をすることで勇気を奪わずに次に進むことができます。例:「どうしたらできると思う?」「どこを注意したらよいと思う?」
相手を否定せず、肯定的に表現する
否定的な表現を行うのではなく、できるだけ肯定的に相手を活かす言い方をします。例:「気が小さい」ではなく「細やかな気配りができるね」「まずはゆっくり慎重にやっていこう」
相手の行動ではなく、私がどう感じたかを伝える
相手を責める言い方ではなくではなく、私がどう思ったかを伝えます。「普通はこうだろう」と世間一般の事実であるかのように言うと、そう思っているのは指摘する側の都合であるのに、誰からもそう思われていると誤解してしまいます。客観的な事実と自分の意見は区別し、相手のことを「お前の考え方は間違っている」と言うのではなく自分の想いを言いましょう。例:「自分はこういう風に考えていた」「私はこう思っていた」